映画「いのちの食べかた」を見てきました。
原題“OUR DAILY BREAD”。監督:ニコラウス・ゲイハルター。
2005年、オーストリア・ドイツ。
世界中の映画祭で賞を獲得したドキュメンタリーです。
この映画、セリフもなければナレーションもない。音楽までもない。不思議な映画です。
私たちが口にする、牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、野菜(パプリカ、ホワイトアスパラ、りんご等)等の生産現場や、工場を淡々と撮影し、ありのままの姿を見せてくれています。
映像が何を伝えているのか、作者の意図は・・・・・・?
それは、見ている側が創造するしかありません。
パプリカに液体を噴霧している場面。水だろうか? 農薬だろうか? 噴霧している人が防毒マスクのようなものをしているから、きっと農薬。そんな風に、推測するしかない。そして何を感じるか?
牛や豚、鶏のと畜シーンも出てきます。
全然隠されていませんよ。そう、全て。
私は以前、オーストラリアの牛肉のPRの仕事をしていました。オーストラリアにも3回ほど出張し、牛肉の生産現場を取材して回ったことがあります。もちろん、と畜場も何軒も周りましたよ。だから、幸か不幸か、映画を見ていて、何をしているところかよーく分かったんです。でも、この映画には、普通の取材では見ることができないような、シーンも含まれていました。そう、牛や豚のいのちが断たれる瞬間。私も初めてでした。
牛や豚が死期を悟って、逃げようともがく姿。きっと目を背けざるを得ないでしょう。
でもね、そのいのちをいただいているんですよね、私たち。
鶏の扱いにいたっては、完全にモノ。
ひよこの扱いはまるで野球のボールのよう。ピッチングマシンのような機械からひよこがポンポン出てくるんです。私には、コレが一番ショックでした。言葉が出なかった。
世界中の人間の生を賄うために、「食」は産業にならざるを得なかったのだけど・・・・・・。
いろいろと考えさせられますね。
「いただきます」の言葉の重さを認識しました。
今後もいろんなところで上映されるようですので、是非見てください。
ただひとつ、邦題の「いのちの食べかた」というのは、映画の内容とちょっとニュアンスが違う気がしたのだけど。私だけでしょうか?
